読了時間の目安:約3分
AIに文章を頼むたびに、同じ注文を一から書いていませんか? 「もっとやわらかく」「その言い方はうちでは使わない」——毎回の指示し直しは、地味に時間を奪います。
結論はシンプルです。自社の言葉づかいを一度まとめて渡しておけば、出力は自社仕様で安定します。毎回の説明から、あなたは解放されます。
「毎回指示し直す」手間の正体
出力がしっくりこないのは、AIが悪いわけではありません。あなたの会社のルールを、まだ知らないだけです。
植えたばかりの苗のようなものです。土や水やりの条件を最初に整えておくほど、まっすぐ育ちます。AIも同じで、最初に渡す素材しだいで、その後の出力が見違えます。
渡す「素材」を用意する
覚えさせたいのは、次の3つです。
- 用語集:正しい表記(例:「お客様」か「お客さま」か)をそろえる
- NG表現:使いたくない言葉を挙げておく
- トーンの見本:自社らしい文章を2〜3本用意する
この3点を渡すだけで、出力の「自社らしさ」がぐっと上がります。最初のひと手間が、あとの何十回分もの時短になります。
覚えさせる手順は、2つだけ
やることは、とてもシンプルです。
- 見本を添えて指示する:用語集とトーン見本を一緒に渡してから頼む
- 崩れたら見本を足す:ずれた出力が出たら、その正解例を見本に追記する
育てる感覚で使うのがコツです。使うほどに、あなた好みの出力へ近づいていきます。私たちは、AIに毎回説明し直すより「自社の言葉を一度渡して育てる」運用をすすめています。
毎回貼らずに済ませる:リファレンスとして保存する
ここまでの手順には、ひとつ面倒が残ります。用語集も見本も、会話を始めるたびに貼り直す必要があるからです。
そこで使いたいのが、指示や資料を保存しておく仕組みです。ChatGPTにもClaudeにも、よく使う指示をあらかじめ登録したり、参考資料を置いた作業スペースを用意したりする機能があります(呼び方や仕様はサービスによって異なり、変更もあるため、最新は各サービスの案内をご確認ください)。
ここに落とし込むと便利なのは、次のようなものです。
- 用語集:社名・商品名・肩書の正しい表記、表記ゆれの統一ルール
- NG表現:使わない言葉、避けたい言い回し
- トーンと言い回し:文体、一人称、句読点や記号の使い方
- 書き方の癖:見出しの付け方、段落の長さ、結論を先に置くかどうか
一度これを整えておけば、以後の指示は「この用語集とトーンで、お知らせ文を書いて」の一言で足ります。毎回の説明が消えるぶん、指示そのものがぐっと楽になります。
作り方は、むずかしく考えなくて大丈夫です。まずは思いつく10項目から。運用しながら、ずれた出力が出るたびに1行ずつ足していけば、あなたの会社の「文章のルールブック」が育っていきます。
つまずきやすい点:見本は少数精鋭、機密は入れない
見本は、多ければよいわけではありません。あれもこれもと詰め込むと、かえって軸がぶれます。「これぞ自社らしい」という数本に絞ってください。
もうひとつ。用語集や見本に、顧客名や未公開情報を混ぜないこと。ここは第8回の情報管理と同じ注意です。
よくある質問
Q. ChatGPTでも同じことができますか? A. 考え方は共通です。用語やトーンの見本を渡す発想は、どちらのAIでも通用します。渡し方の細かな作法は違うので、まずは手元のツールで試してみてください。
Q. 見本は何本くらい用意すればいいですか? A. 2〜3本で十分です。大切なのは数より質。「これが自社の文章」と胸を張れる例を選ぶと、出力が安定します。
今日えらぶ、たった1本
まずは、あなたの会社の「これは自社らしい」と思える文章を1本だけ選んでみてください。それをAIに見本として渡すところから、トーン統一は始まります。
※本コラムは Anthropic 社/OpenAI 社とは無関係の、Galactic Brain による非公式コンテンツです。ChatGPT・Claude は各社の商標です。
